第10章 main
例の瀞霊廷の外れにある隊舎へ向かっている途中、零番隊の皆と会話を楽しんでいた。
「せっかくこれから一緒にやっていくんやし、名前で呼び合おうや。あたしは愛でよろしく。」
獅子野愛は銀色の長髪でとても目が大きくて可愛く、関西弁で人懐っこいため誰とでも打ち解けられる。
ただ背が140しかないのがコンプレックスらしい。
「俺は丞でいいぜ。」
吉川丞は肩に着くくらいの長さの黒髪を後ろで一つに束ねていて、
左のこめかみに十字の剃り込みを入れている上に強面で背が高いため、愛とは反対にかなり近づき難い。
本人は中身まで怖くないのにな…と残念に思っているそうだ。
「俺も灯路で。お前も嘉宗でええんやんな。」
「はい。」
飯田灯路は愛と同じく口調が関西弁。
藍色のソフトモヒカンのような髪型が良く似合う二枚目だ。
瞳の色も透き通った青色でとても綺麗だと思った。
零番隊の副隊長、林嘉宗は茶髪に黒縁眼鏡と冴えない見た目ではあるが、まじまじと見てみるとかなり清楚なイケメンであることに私は気がついた。それにですます口調で物腰柔らかな所も魅力だ。
(人をじっくり観察してみると面白いんだよね~!)
「私は雲雀でお願い。頼りにならない隊長だと思うけど、何卒よろしくね。」
「よろしく!あたしもいきなり過ぎて色々と心配やけど、皆で頑張ろな!」
「僕もできるだけサポートに回りますよ。」
「嘉宗お前堅いなぁ~一旦俺みたいに力抜いてみ!」
嘉宗の背中をドンドン叩きながら笑う灯路に丞がチョップをお見舞いする。
「お前は抜き過ぎだ。」
「人聞きの悪い!そんなんやから友達おらんねん!」
「それとは関係ねぇだろっ…多分。」
「その顔で何を言っても反則…。」
「雲雀まで俺を弄るなんて…!」