第10章 main
「あの隊舎か…良いじゃろう。好きに使って良い。」
「ありがとうございます。」
なんとか意見が通り、ホッとしていると女性の死神が私にグッドマークを示したので笑顔で返す。
「ゴホン。では零番隊の仕組みについてじゃ。五人編成で隊長から五席まであり、全員に零番隊の印として羽織を身につけてもらう。
任務以外の時間は自由に過ごして良い。」
もしかしたら何気に一番楽な部隊ではないかと思う。
(まさか王属特務零番隊の隊長が王族だなんて…誰も思わないよね。)
心の中で苦笑いを浮かべながらまだ続く総隊長の話に耳を傾けた。
「もし四十六室や護廷十三隊から要請があれば駆けつけるように。」
王属特務以外は護廷十三隊の支援にあたるのだと聞いて私は喜んだ。
(マユリさんとまた研究に打ち込める!)
溢れる笑顔で涅を見ると、さぞかしつまらなさそうに睨み返された。
(ひぃぃいいいっ!なんか怒ってる!)
これ以上目を合わせると危険だと思った私は慌てて目を背ける。
「では、これから就任式を行う。」
いつの間にか次の話へ移っていて、あの変な布で顔を隠した人達が手に羽織を持って私達の前に横一列に並んだ。