• テキストサイズ

奈落の底から【BLEACH】

第10章 main


「ええーっと、私裁かれるんですか?」

全隊の隊長と副隊長が私に視線を集める。
重苦しい空気に押し潰されそうな私を見兼ねて京楽が口を開いた。

「違う違う。もっと別の大切な事だよ。」

(春水さん、助けになってないです逆に怖いです。)

総隊長に助けてもらおうと目を合わせた時、扉の向こうから数人の話し声が聴こえて私も周りの人達も扉を見やる。
すると「来ました。」と言う男性の声が扉越しに飛んできた。

「入れ。」

総隊長の掛け声で扉が徐々に開いていき、一人の女性と三人の男性の死神が姿を現す。
そして何故か全員、大富豪でラスト一枚を出せば最初に上がれるのに、周りの奴が二枚組ばかり出すせいで結局べべになってしまって残念。みたいな顔をしていた。

(もしかして私が気になっていたやつと関係ある…?)

四人は脱力し切った足取りで、私の後ろで横一列に並んで総隊長を見る。

「もっとシャンとせんか!」

その一言で後ろから背筋を伸ばす衣擦れの音が聞こえた。

「全く…こちら側は全力で隠れた実力者を探し出したと言うのに…お主らは迷惑としか受け取っておらんようじゃの。」

「全くです。」

「あたしは平凡が一番なんです。」

「そもそも零番隊って…」

「何なん。」

「ええい!それを今から話そうとしておるのじゃ!
若僧は黙って聞いておれ!」

このやり取りを間近で聞いて、隊長達は吹き出しそうになる。
度胸があるというか…ちょっと生意気というか…。
威圧感しか感じない場でここまで自分を通せる四人を、心の隅で賞賛する。

しかし、私一人だけ置いてけぼりだった。

「零番隊?」
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp