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希望を賭けた戦い The hopefight--.

第8章 夜桜団員との対面


「そうだ!!お前は夜桜かぁー?」
「あー……そうだが、あまり近づかないほうがいいぞ。今、夜桜集会としてここ使ってるからな」


落ち着いた口調で奥にいる何者かが言う。

「まじかぁ……あ、じゃあ見つからないように見学しとくからさぁ!」
「いや、そこまで警戒はしなくてもいいが……でも中には夕顔団を敵視する奴もいるしな…」

そう言って、あごに手をやり、考えるポーズ。
先程まで半寝状態だった海月が、動き出した。


「私、夜桜団見学する」
「あっ、駄目だ!殺されるぞ!」
「そこまで敵視する奴いるのか……」


何者かの注意を無視し、海月はずんずん前へ進む。
仕方なく、男二人も前へ進む。


「はぁ……まぁいいか。団長、夕顔団員通ります」

「たのもーっ」

同時に海月が声をあげた。


「それ絶対違うだろ…」
「海月らしいよ…」

「あっ、春松っ」


そう言って海月は、バフンッと紫色の髪をした者に抱き着いた。
そいつの前には、綺麗に整列した、夜桜団員がいた。

「うわ、綺麗に並んでやがる…」
「夜桜団すごいなぁ…見習わないと…」


綺麗に並んでいた所で、一人、ゆっくりと動き出した。

「げぇっ!」
「え?」

楓が少し後ずさる。
そう、その動き出した者こそ……。

「貴様、何逃げておる。顔を見せろ」
「あぁ?!に、逃げてねーし!!」
「あるぇ、楓?もしかしてこの方……」
「こいつだよ!こいつこいつ!!」

後退りしながら楓は必死に、敵である女を指差す。

「あ、ども。夜桜団副団長の榊野莱音です」
「あ、夕顔団団員の羽島鷹比呂っす。どもども。」
「ちゃっかり自己紹介すんなよ!!」
「で、こっちが霜柱楓君っす」
「素敵な笑顔でついでに俺の紹介もすんな!!!」

たった今名前を知った莱音は、興味深そうに「楓、ねぇ」と呟く。

そしたら、莱音が急に楓に飛び付いた。


「?!」
「ごめんね~、あたし楓が物凄く気に入ってるから鷹比呂は好きになれないっ☆」
「ああ~、別にいいっすよ!」
「キャラ崩壊じゃねえか!!後ニヨニヨするな鷹比呂!キモいぞ!!!」

それでもひたすらにニヨニヨする鷹比呂。
そして抱き着かれたままの楓。居心地いいのか悪いのか…。
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