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希望を賭けた戦い The hopefight--.

第8章 夜桜団員との対面


「楓、行った場所に案内してくれないか?」
「はあぁあ?ぜってぇーやだ……あの女いそうだし」
「あの女?」

しまった!
楓は思わず口を滑らせた。だがギリギリセーフだ。まだ“あの事”は言っていないのだから。

「(教えたら絶対からかわれるだろうな。嘘だーっ!って…)」
「おーい。ふーくだぁーんちょう?何があったか、それと場所も教えてくださーい」

煽るように鷹比呂は言う。
まぁあの事実を話さなければいいだけだし。


「あの貼紙に“地下一階 神聖の誓い場”って載ってたから、あいつが気になって地下一階まで行ってみたんだよ。そしたら謎の女に出くわすわ、怪我するわで…」
「ふうん。その女に唇、やられたのか」

何もない顔をしながら、鷹比呂は続ける。


「つまり、見知らぬ女とちゅーをね……ふんふん」
「そうそうそう……ってぇ!!ちげえよ!!だ、断じて……」
「おやおや楓君?事実なの嘘なの?はっきりしてくだせーよ」


ぷくく、と笑われながら肩を叩かれる……。
鷹比呂は洞察力というものが飛び抜けてありそうだ。

「まー、そんな隠すなって。おめでたいことなんだぜ?あ、でも噛まれた、」
「言うな。それを言うな」


そしてまた鷹比呂は吹き出す。なんなんだこいつは。

「……いいし…、もう俺死ぬ…」

わかりやすく拗ねて、ガンホルダーから銃を出しこめかみに銃口を向ける。


「ウワアアアァァァ!!??自傷行為はマジでやめろ!!てかその銃死に兼ねないぞ!!!」


「馬鹿なの……」


包まっていたはずの海月が、入口から顔を出し、だるま状態になりながら冷たい視線を男二人に送っていた。


その後、楓と鷹比呂は団長の海月を引っ張り、例の場所へ3人で行った。


「うほおお!!すげえぇぇっ!木が青白い!なっ、海月!!」

鷹比呂が子供のようにはしゃぎ、海月をぶんぶん揺さぶる。海月は半分寝ているようだ。

「んな大声出すなって。またあいつが来たら…」


「お前ら、夕顔団か?」


突如、奥の方から声が聞こえてきた。
楓は警戒しつつ、銃を構える。
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