希望を賭けた戦い The hopefight--.
第7章 袴姿の舞姫
「童顔ピアスの事ならいつもの事だろ……」
「あぁ!?14歳の餓鬼の分際で何いってやがる!オレぁ今年で21になる!童顔とか言うな!!」
「酒も煙草もストップされたって子供みたいに騒いでた癖に」
「緋鯊テメェ、シバいてやろうか」
「あ、10人目が来たみたいだよ」
そうカンナが皆に伝えると、一気に場が凍り付いた。
雰囲気が明らかに違う、しゃんとした女性。
長い黒髪のロングヘアは全て髪留めで後ろにまとめあげ、前髪は日本人形のようにぱっつん。
桔梗色の瞳で皆を見つめる。
見つめられた者は、心臓が止まるほどの美しさに見惚れているほど。
今この瞬間、孤高の舞姫が君臨したように思えた。
女性は袴を着ており、何か上品な印象を与えた。
軽く会釈をすると、近くにあった椅子にちょこんと座った。
「……あ、えーっと…名前は帝一舞さん……かな?」
袴姿の女性は目を閉じ、静かにこくりと頷いた。
一舞という、これまた格好いい名前だ。
そこで、狐目の少年がここぞとばかり、自己紹介。
「初めまして~、桟橋彼方って言います!」
目を閉じていた一舞は彼方という少年に目をやり、腕を組んだ状態で軽く会釈した。
それに冷たい印象を持った彼方は好奇心旺盛そうな黄色い目を細めて、
「あれぇ……」
とだけ呟いた。
その数秒後に彼方は「まあいっか」と軽く済ませたので、よしとした。
「これで全員みたいだなぁ……んじゃ、海月から自己紹介……するか?」
ソファに寝転がっている海月に、鷹比呂は視線をやる。
「んぁ……上原海月、団長。よろしく」
一度起き上がったかと思うと、またバフンッと寝転がる。
皆がぽかんとする中、副団長である楓の自己紹介の番が来た。
「………っと、霜柱楓……一応副団になりました……よろしく」
緊張しながら言ったもんだから言葉がとぎれとぎれになってしまった。
続いて次の人、次の人と進み……