希望を賭けた戦い The hopefight--.
第7章 袴姿の舞姫
あの一件があり、少し落ち着いたところで、楓たちは休憩室へと戻って行った。
仲へ入るとそれはもう、大人数になっており、吐き気がするくらいだった。
「ただでさえ狭い部屋に……」
「私は広いと思うけど」
「おっ!海月捕まえて来たか!良かった良かった」
「なぁ、こいつもう縛って動けなくしていいか?おかげでここ、やられたんだけど」
「それ楓の趣味?正直引くぞ……」
「そういうことじゃなくてだな!!!」
そうこうと口論してる間に、海月はマイペースに先程寝転がっていたソファにごろごろと。
よくもまぁ気持ち良さそうに。
そして横から鷹比呂が楓の顔をみる。
「………唇、どうした?」
「今気付くか」
「あ、鷹比呂~、楓すごいんだよー、知らない人にき」
と、好き勝手にいわせるわけもなく、楓はすぐさま海月の口を抑える。
動きがぴたりと止まる。
「え。何?聞かれたら困っちゃうパターン」
「(こくり)」
「(ぶんぶん)」
「首を横に振るな縦に振れ」
海月の頭にババチョップをかます。
「なーなー、あの二人デキてるの?」
「こらこら。大きな声でそんなこというんじゃありません、カンナ」
静かに笑い声をたてるカンナと雀羅。
楓は拳をつくり、ワナワナと震える。
「俺彼女いない歴年齢でましてやこいつとデキてるとかいわれたくねーんですけどふざけんなふざけんな…」
「ふざけんなはこっちの台詞」
おっとここで思っていた事が全て言葉となって出ていた。
鷹比呂は「はは…」と苦笑いをして、持っていた名簿を開いた。
「これで全員………かな?」
「多分全員じゃないかなあー!」
「うっせ……」
少々狐目の少年が、元気一杯の声をあげ、目を細くさせて笑う。
その隣で迷惑そうにしている少女……オシャレな眼帯が印象的だ。
ショートヘアのせいで一瞬、男だとおもったが、よくよく見ると可愛いらしい女の子だ。
「人数的に9人とかおかしいだろ。よく考えろバーロー」
「早月、何怒ってんの」
「お、怒ってねーし」
早月と呼ばれた男は、海月に話し掛けられるや否や、照れ臭そうに焦げ茶の髪を掻いた。