第6章 堕ちる華-畜生鬼-
この先、幾度情交を繰り返したとしても、翌朝には綺麗に忘れていることだろう。
そう、今朝の○○のように。
だが……。
「身体は…覚えている」
昨夜の激しさを。
どれほど悦び、咽び啼き、自ら脚を開いて求めたかを……。
解毒を与えぬ限り、○○の中で毒が消えることはない。
既に蕩けてしまった身体と心は、もはや畜生鬼の思うまま……。
「○○……」
夜陰、人目のない場所で○○を呼び止め、つっ…と、昨夜知ったばかりの刺激を与えてやれば、後は、もう……。
「ぁっ…畜生鬼……っ」
「欲しいか?」
「ほし、い……っ」
「素直じゃないか、○○。そら、くれてやる……っ」
「んぁぁぁぁぁぁぁっ」
「もっと啼け、もっとよがれ!俺だけ見て、狂っちまえ!」
ずりゅっ!ぐぷっ!
「ひあぁぁぁ、んっ!」
結界に遮られた空間に、○○の声が高く高く、むせび啼いた。
そんな少女を畜生鬼は容赦なく貪り、尽きることない欲望を、その内へと吐き出し続ける。
夜毎の情交という狂った夜の始まりを知るものは、まだ何処にもいない。
○○自身さえ知らぬ事実に、畜生鬼の胸は、かつてない愉悦に満たされていた。
「これを○○が知ったら、どうなるんだろうな」
平静なんかじゃいられないのは確かだ。
もしかしたら、心が折れるかもしれない?
壊れるかも…しれない?
「それも良い」
その時は陰陽師など、やめてしまえば良い。
そうしたら……。
「俺が全部、忘れさせてやる」
何もかも分からなくなるくらいに、滅茶苦茶に貪り尽くしてやる。
「それも…楽しみだ」
だが、まあ、今はとりあえず、このままで。
「ほら、上に乗れよ。自分で入れてみな」
「ぁ…ぁっ、んぅっ」
「…っ、はっ…まだまだ、だな…陰陽師さん…っ」
「ひあぁ、ぁぁぁっ!?」
待ちきれずに自ら突き上げ、狂わせる。
ねっとりとした情交を繰り返す二人は…○○はもちろん、当初は着衣も乱さなかった畜生鬼も衣を脱ぎ去り、今や少女の温もりを求めるように肌を露わにしていた。
○○を手に入れ、情欲に狂わせてやろうと思い、そうして望みを遂げる一方で、畜生鬼自身もまた、○○を抱くほどに、微かに変わりつつあることを自覚してはいない……。