第14章 それは『悪戯』という名の…-具羅摩-
こうして二人きりでいると、具羅摩の女言葉はなりを潜める。
その変化に気付いた当初、『どうして?』と具羅摩に訊ねたことを、○○は思い出した。
すると具羅摩は自分でも何処か不思議そうに、それから、何故か照れたようにしながら、
『そういえば…無意識だったけど。多分、○○の前では『男』になっちゃうのかも…ね』
そう言って、それから……。
(ぅわーーっ!)
その後の展開を思い出して、○○は真っ赤になりそうな自分の頬をぺちぺちと叩いて誤魔化した…が。
「○○?」
「え?あ、あはははは、な、なんでもな…っ」
当然、誤魔化しきれるはずもなく。
更には、そんな仕草が更に可愛くて堪らない具羅摩によって唇を塞がれてしまった。
「ん…っ」
「○○…可愛すぎ」
「そ…なこと、ない、から…っ」
「あるの。だから……」
「?」
「早く一緒に帰って。もっと○○を可愛がらせて?」
「~~~~~っ!」
瞬間、真っ赤になって固まってしまう少女に、具羅摩はそれはそれは艶美に微笑んだ。
「本当に可愛いんだから。そんな風にしたら、もう我慢できなくなっちゃうよ?」
囁きながら、立ち止まったままの可愛い恋人を当然のように抱き上げる具羅摩が踵を返す先は、もはや言わずもがな…である。
その年の南瓜祭の夜は、それはそれは甘い一夜になりそうだ……。
-終-