第6章 堕ちる華-畜生鬼-
「本当に、いやらしい身体だ……」
上気して色づくしっとりとした肌、滲む汗、つい、と谷間に触れただけで、
「んあ!」
弾む四肢は、もうとろとろに溶けきっている。
「はぁ、喉が渇いた」
言うなり、鬼は○○に命じた。
「ほら、もっと脚を広げろよ」
「………っ」
僅かな理性でも残っているのか、しかし少女はすぐには動かない。
「そういう意地っ張りなところも、まあ、嫌いじゃないが」
それどころか、手応えがあって気に入ってすらいるけれど。
「許さない。そら、脚を開いて、いやらしいお前をもっと俺に見せろ」
そうしたら…と、畜生鬼は○○の耳に吹き込んだ。
「もっと良いものをくれてやる」
「……い、い…もの……?」
「ああ、とても良いものだ」
「………」
熱に浮かされた、とろんとした少女のまなざしは常のものとは違っていた。
快楽に寄っているせいだけではない、別の何かが○○を惑わし、動かしているようだった。
そう…始まりは、たった一口の酒……。
「ふん、良い効き具合だな」
○○の口にも合うからと、言葉巧みに一口だけ勧めた盃……。
それだけで、事は簡単なことだった。
後は○○をそっと人混みと、何より他の式達から引き離して、今に至る。
一言でいうなら、媚薬に近い、それは甘い一滴……。
だがその効果たるや媚薬など遠く及ばぬ、敢えて例えるなら“毒”と称するに相応しい。