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陰陽の道≒式神との道

第14章 それは『悪戯』という名の…-具羅摩-


二度と○○を傷つけまいと誠心した日々に、少しずつ○○の心の強張りが解けた時、傷つけた己が罵られるのを承知で、具羅摩は募る想いを告げた。
そして…その応えの結果が今、ここにある。

ただし、○○が提示した条件付きで…であるが。

曰く。

その一。
『もう、私の気持ちを無視して…その、あ、あんなこと、しないで』

もちろん具羅摩にすれば、それはもはや言われるまでもない…ので。
恥ずかしそうに告げる少女に、それは当然とばかり、具羅摩は頷いた。
そして。

その二。
『悪魔の寵児…って、飽きやすいって聞いたんだけど…その……』
『飽きる?』

はて、○○は何を言わんとしているのだろうか。
瞬時には理解できない具羅摩だったが。

『だ、だから…だからっ、具羅摩がそうなったら、私だって…し、仕返ししてやるんだから!』
『は!?』

勢い余って、やや暴走(?)紛いな発言をしてのける○○だが、その表情は至って真剣で、恥ずかしいのかより一層、頬が真っ赤に染まっている。

それだけでもう、ぎゅーっと抱きしめて、そのまま押し倒してしまいたい…ではなくて。
具羅摩は、とりあえず落ち着こうと額に手を当てた。

(私がよそに行くって?私が…○○に飽きるとか、他に目を向けるとか、そういう意味?)

そんな心配をしてくれているのか、と思うとちょっと嬉しいかも、という感慨は、今は浮かばない。
それよりも…である。

(仕返し?仕返しするって言った!?)

それって…つまり……。
自分と同じことを、○○もする、とそういうこと…だろうか。
理解した瞬間、具羅摩は頭に血がのぼった。

『何言ってんの、この子は!』

ありえない心配をするんじゃありません!と断言して、具羅摩は○○をきゅーっ、と抱きしめる。
条件その一はともかくとして、二つ目はもう、条件とかそういうことより……。

(誰かが○○に、妙なことを吹き込んだみたいだね?)

どうせ男の式神の誰か…というより。

(あいつとかあいつとか、あいつ…辺りか)
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