• テキストサイズ

陰陽の道≒式神との道

第13章 遠い約束-氷獣鬼-


なのに、夢に見るなんて。

「本当に、懐かしい」

ふと、そう呟いた時だった。

『あったかーい!』

「え………?」

『そうか……』
『うん!ふわふわー!』

不意に脳裏をよぎった声の一つは、幼い自分のものだ。
では、もう一つは……?

「私……」

ふわふわ、と何かに触れて喜んでいた。
子供の頃…あの、逃げ出した日に、何処かで…誰か…何か触って……?

手を見つめても、分からない。
あの日の感触なんて、覚えているわけがない。

でも確かに『誰か』がそこにいた。

「あれは……」

思案に沈みそうになる○○の耳に、明るいちゅん太の声が飛び込んでくる。

「○○、そろそろ行かなきゃ遅れちゃうよー」
「あ、はーい。今行くー!」

現実に引き戻されるように、○○はとある依頼を請け負うべく、部屋を出た。

昔を思い出したところで、何があるわけでもない。
まして…幼い頃の記憶をたどるなんて……。

振り払うように首を振って、○○は依頼先の、とある邸宅に向かう。
果たして…○○は依頼の中で、図らずも過去と遭遇することとなるのである。
/ 200ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp