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陰陽の道≒式神との道

第10章 標的捕捉-諜報部隊・隊長-


例えに無理があるけど…なんて、○○は言うが。

「そんなことないさ」

腕の中の少女が堪らなく愛しくて、男は一度は戒めた手を○○の肌に滑らせる。
朝も昼も、時間なんて関係ない。

「もっと、お前をくれ」
「~~~~~っ」

殺伐とした心地のまま、その場凌ぎに女を抱くことは、もうない。
そんなものはいらないし、必要ない。
欲しいのは…必要なのは……。

「もっとだ。もっと…お前を……」
「ぁっ…ぁ、ん…っ」

何があろうと、どれほどこの心が渇いても、この少女がいれば。

「俺は……」

(この先、何があろうと俺はお前を離さない……)

陰陽師と、諜報部員という名の暗殺者……。

その生業ゆえに、常に共にはいられないと承知している。
だがそれでも、決して手離したりはしない。

「はっ、んあ、ぁっ、っ、っ!」
「くっ、逃がさない、から…な……っ」

二度と…絶対に……。
愛しい、この少女を。

この腕に絡め捕えた、それは恋しい獲物……。
だから誰にも渡さない…離さない。

「ぁっ…ぁ、んっ、そ…な、こと…っ、しな…ぃっ、ぁっ」
「良い子だ」

瞳を和ませた男が少女の髪を撫でながら、こめかみに接吻する。
甘く優しい仕草の内に、しかし狂おしい情愛が潜んでいることを、○○は知らない。

恋を知り、その愛を得た夢見心地の少女には、男の果てなく深い恋着と愛欲など、知るべくもなく。

男もまた、自らのそれを、まだいとけなさを漂わせる恋人に突きつけるつもりはない。

ただただ甘く、優しく…しかしねっとりと淫靡に溶け合い…絡み合って、絶対に手離しはしない……。
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