第3章 入部
それと同時に、淋しさも感じた。
いつか、必ず輝は離れてしまう。
昔みたいに、二人で笑いあってバカする事もなくなっていくんじゃないかと考えると、淋しくて仕方がなかった。
それは多分、輝が成長して自分は何も成長してないからなんだと、思った。
由女『あ、保健室…』
考え事をしてる間に、保健室を少し通り過ぎていた。
踵を返して、南奈の居る保健室に入った。
由女『失礼します。賢木さん、居ますか?』
先「賢木さんなら、そこに居るわよ。」
保健室に入り、南奈が居るか確認すると、保健室の先生が窓側を指差してそう答えた。
そこには、頬杖をついて遠くを見つめる南奈の姿があった。