第3章 入部
由女『って、この量を一人で持って行けと…』
そこには、カゴ4つに大量に入っているタオルがあった。
この学校のサッカー部は、溜め込んで一気に洗うみたいだ。
私と南奈で何回か行き来して運んで来たから、結構な重さだと思う。
由女『一個ずつ持っていくしかないかぁ…』
仕方ないと思い、カゴを持ち上げた。
けど、予想してたよりも重くて、ちょっとよろけた。
由女『っとと!
タオルって、こんなに重いもんなの!?』
タオルが入っているカゴは、凄く重たかったが、そんな事を言ってても仕方ないと思い、方向転換しようとした時、
由女『わっ…!』
誤って足を滑らせてしまった。しかもタオルの重さで、後ろに重心がかかって、このまま倒れるしかなかった。
由女(やばい…っ!)
私は目をギュッと瞑って痛みが来るのを待った。
が…いくら待ってもその痛みは来ない。
それに、何だか誰かに腰を捕まれてる感覚と、背中に何か硬いものの感覚がする。
けど、痛みは感じない。
不思議に思い、目を開けて後ろを振り返り、見てみると…
輝「たく…何してんだよ、バカ…」
由女『っ…!輝…』