第9章 十邪の気持ち
それから担任が出て行った後、俺は自分の席で暇をもて余していた。
俺を遠目で見る女達を横目に、ため息をついた。
その後に由女と輝の仲良さげな処を見せられて、少し機嫌が悪くなった俺。
一瞬付き合っているのかと思ったけど、そうでもないみたいだ。
由女が席に戻ってきた時、由女の筆箱が床に落ちた。
足元に転がってきたシャーペンを見て、何を思ったのか、苛めてしまった。
こればかりは昔からの“癖”だ。可愛い子や、気に入った奴にしてしまう事が多い。
だけど、由女だけは何か違った。
それは多分、由女の笑顔を見てから胸の高鳴りが鳴り止まないからだろう。
…これは、もしや一目惚れか?
い、いやいやいや。まさか。
でも…
チラッ
由女『あははっ! 何言ってんのよ』
ドキドキドキドキ…
だー! 完全なる一目惚れじゃねーか!!
まぁ悪い気はしねーけど、一人、邪魔な奴がいるな…