第9章 十邪の気持ち
それからだ、俺の女遊びが激しくなったのは。
好意で告白してくる女には冷たく扱い、身体関係を求めてくる女だけを受け入れた。
勿論、好意なんて物、これっぽっちもない。
好意なんて無くても、“友達関係”にはなれる。
俺はそれで満足してた。
由女…お前に会うまではな。
由女の笑顔を見たとき、不思議に感じた。
由女の笑顔は、裏も表もない、真っ直ぐな笑顔だった。
最初は、びっくりして顔を背けたが、すぐに顔を後ろに向けた。
すると、そこには俺を睨む由女の姿があった。
多分、俺が無視したんだと思っているんだろう。
頬を膨らまして俺を睨む由女が可愛くて、つい俺の口から笑い声が漏れた。