第9章 十邪の気持ち
由女『なに、あれ?』
十邪「あー…ただの“友達”」
由女『……』
俺が言った“友達”の意味が分かったらしく、由女は黙って軽く俺を睨んだ。
相手の状況の事には鋭いのに、自分が関わっている事には鈍い。
で、いつも余計な事を言ってくる。ずかずかと人の心に土足で上がり込んで来やがる。
…まぁ、そんな奴を好きになった俺はどうかしてると思う。
由女『そういうの、止めといた方が良いんじゃない?』
十邪「…何が」
由女『何がって…その“何が”だよ。あんまり良くないよ。そういうの。』
ほら、こうやって土足でずかずかと…
十邪「別に、向こうも好きでこうやってる訳だし、俺も暇な時に相手してるくらいだし、丁度良いんじゃね?」
由女『でも、やっぱり』
十邪「うるせぇな! お前には関係ねぇだろうが!! 俺のする事に一々口出ししてんじゃねぇよ、ブス!!」
はぁ…ダメだな、やっぱ。