第8章 私の悩み
空き教室に連れてこられた由女はまだ困惑している。
…頬を少し赤くして。
輝「……何で、逃げなかったわけ?」
由女『な、なにが…?』
輝「十邪の事だよ! 何であそこまで顔近づけられても逃げなかった?!」
由女『え、ちょ、輝…どうした』
輝「答えろよ!」
由女『きゃっ!?』
俺は一方的に由女に問い詰めた。怒りに任せて。
由女が俺を落ち着かせようとしてるのは分かってたけど、俺はこの時、一時の感情で由女を壁に押し付けて、挙げ句の果て言ってはいけない事を言ってしまったんだ。
輝「好き、なのか?」
由女『…え?』
輝「十邪の事、好きなのか? だから避けなかったのか?」