第7章 暖かい
ー由女sideー
暫くして、輝から規制正しい寝息が聞こえてきた。
その寝息が私の髪に当たって少しくすぐったい。
輝の手は私を包み込むように優しく抱き締めていた。
輝の温もりが伝わってくる。
由女『輝…』
私は小さく輝の名前を呟いた。
そっと顔を上げて、輝の顔を見てみる。
由女『っ…』
私の胸が小さく音をたてた。
暗闇の中、窓から差し込む光が輝の顔を照らしている。
私は輝の顔をまじまじと見つめた。
鼻筋は通っていて、男の子の割に長い睫毛、透き通った肌に形の良い薄い唇…
輝の顔は凄く整っていて、モテるのも無理ないかぁ…と思った。
輝がモテる。中学時代、そんな事なかったと思う。あ……いや、あったな。うん。
私は不意にトラウマと此処が暗闇だという事を思い出した。
……でも、不思議と怖くない。寝る前はあんなにも怖かったのに…
それは、多分、輝のお陰かな。
輝が側に居てくれてるからだ。
トクン…
あ、まただ。また、あの時の気持ち…
この気持ちは一体なんなんだろう…少し考えてみたが、私も眠たくなってきた為
私は輝の背中に腕を回し、眠りについた。