第7章 暖かい
ー由女sideー
由女『え、輝…?』
いつの間にか私は輝に抱き締められていた。
輝「こうしてると、少しは怖くないだろ?」
由女『輝、わっ…!』
私が顔を上げようとしたら、輝が手で私の頭を自分の胸に押さえつけてきた。
いきなりの事に私はびっくりしてもがいた。
輝「い、今はこっち見るなよ!」
由女『なんでよー?』
輝「い、いいから!!」
由女『…はい、はい分かりましたよ。』笑
何だか輝が可愛く思えた私は素直に輝の胸に顔を埋めた。
あ…輝の匂い…落ち着くなぁ…
由女『輝の匂い…落ち着く…』
輝「は?!匂い?」
由女『うん…この匂い、好き…』
輝「へ?!///」
何故か輝はびっくりしたような声を出したが、すぐに「そ、そっか…」と、納得したようだった。
由女『輝…手も暖かいね…』
輝「そうか?」
由女『うん…』
輝の手の温もりと、輝の匂いが凄い心地よくて、トラウマの事なんかいつの間にか頭からは消えていた。