第7章 暖かい
ー輝sideー
由女は小学生の頃に俺を好きだった女の子に一度体育館倉庫に閉じ込められた事があった。
でも、それがコイツにとってトラウマになってるなんて、知りもしなかった。
遊園地の時はただ幽霊が怖いものだとばかり思っていた。
でも実際そうじゃなくて、あいつはあの時の事がトラウマになっていたんだ。
なのに俺は……
何でもっと早く気づけなかったんだろう…
俺のせいで暗闇がトラウマになったんだ…
由女のトラウマは全部俺のせいなんだ…
輝「ごめんな、由女…
あの時の事がトラウマになってた事、気づいてやれなくて…」
由女『輝…』
俺は由女を抱き締めた。
ずっと側に居たのに気づいてやれなかった。
俺は…好きな女のトラウマでさえ、気づいてやる事が出来ねぇのか…?