第2章 はじまりの物語
「真愛殿はとても人間らしいでござるな」
「剣心、失礼よ!真愛はどうみても人間じゃない!」
「そういうことじゃなくて……。こんな風にバカ正直に泣く人はそうそういないでござるよ。もし、拙者が同じような立場だとしても、拙者は真愛殿のようには泣けないでござるよ。心優しい人でござるな」
私はその場に泣き崩れた
そんな風に言ってもらえたことは一度もない
私はただ、みんなから愛してほしかった
私はただ、みんんから必要とされたかった
ただ、それだけのことなのに
閉ざされた私の心の扉に、ノックの音が聞こえた
私がずっとほしかった優しいノックの音
そっと扉を開けば、そこにはまぶしい光が差し込んだ
私がどうしてこの世界に来たのか
それはまだわからない
わかる日が来るのかさえもわからない
でも、みつけたい
この人たちと触れ合いながら
そう思った