第16章 るろうに剣心【東京編】 最終話
【剣心side】
拙者が真愛殿の部屋をたまたま通った時、
左之が彼女にキスをしていた
時間が止まった
その場所だけ、違う世界の光景のようにも見えた
左之が#NMAE1#殿のことが好きなのは随分と前から知っていた
真愛殿と左之は仲が良く、もしかしたら付き合っているかもしれないと思って
自分が抱いているこの気持ちを諦めようかと思っていたが
この光景を見せられたら、
諦めるどころか、誰にも渡したくない、という独占欲が勝った
拙者が、こんなにも嫉妬深くて束縛するなんて初めて知った
「もたもたしてると、俺がもらうぜ」
その言葉で、2人はまだ付き合っていないということがわかる
付き合ってないのにあんなことしたのか、左之
寝ている女性を襲うんじゃない
しかし、左之がその気なら、拙者だって手加減はしない
拙者もお前と同じで、真愛殿を想っている
簡単に諦められるわけがないんだ
左之がいなくなった後、拙者は真愛殿の部屋に入る
髪の毛を触り、頭を撫でる
時たま、身じろぎをするその姿さえ愛おしいと思う
拙者も左之のことが言えないな
「好きでござるよ、真愛」
彼女の額にかかる前髪をかきわけ、
そして自分の唇を落とした