第9章 剣心組vs御庭番衆
ズドオッ
大きな音が門の方から聞こえた
御庭番衆が来たことをそれは知らせていた
門の方へ行けば、そこには大きな体をした男がいた
その男を相手にするのは相楽さん
相楽さんより何倍と大きいその図体に、彼はどうやって挑むというのだろうか
相楽さんと男は、お互いに拳を突きだす
男の拳打を避け、相楽さんの拳は男の腹に直撃した
「いくら剛力でも、当てなきゃ意味ねェんだぜ」
「グウ、有難いことよ。わざわざ射程距離に入ってくれるとは」
その瞬間、男の口からは火炎が飛び出した
その中に包まれる相楽さん
しかし、彼は倒れることなく立っていた
だが、その右足は火傷で負傷していた
火傷しているのなら、痛みは相当なもののはず
それでも彼は闘おうとする
しかし、そこに緋村さんが前に出た
「そんな大道芸では、拙者の髪一本燃やせぬでござるよ」
その言葉に怒る男
火炎が緋村さんに向かっていく
それを緋村さんは逆刃刀を旋回させ風の盾を作り防御した
その間に、私は相楽さんの元へ
『……足、大丈夫ですか?』
「平気だ、こんなもん」
『ここは緋村さんに任せて、手当てしましょう』
「いらねェ」
言うと思った
私は息を吐いた
見た感じ、右足だけじゃなく全身軽傷だが火傷を負っている
『無理、しないでください』
「わかってる」
私を安心させるためか、彼は私の頭に手を置き、2回ポンポンと軽く叩いた
男の火炎は底をついたらしく、その口からは炎はでない
緋村さんの前に立ち、再び相楽さんと男と勝負する
男もまた、油を補充する
「助太刀ありがとうよ。だけど、こいつの相手はこの俺だぜ。悪いが、ここは仕切り直させてもらうぜ」
「わかった、後は任せるでござる」
男のプライドってやつかな
本当、男ってバカな生き物だな
命よりプライドを優先するとか
でも、かっこいいと思っちゃう
相楽さんと男の勝負は、相楽さんの勝利で幕を閉じた
傷だらけだけど、勝ちは勝ち