第9章 剣心組vs御庭番衆
「で、こいつどーしよう?」
気絶している男
運び出すのは至難の業だよね
その時、何かが恵さんに向かって飛んできた
恵さんをかばう弥彦君
彼の腕にそれは刺さった
『弥彦君!』
「もう、この子は無茶をして!いくら小さい鏢だからって心臓にでも当たったら無事じゃ済まないのよ!危険だからあなたは下がってなさい!」
薫さんの言葉に弥彦君は答える
“攻め手は無理でも守り手ぐらいはきちっとやる”と
何とも男らしい
しかし、そう思った時彼は地面に倒れた
異常なその様子
これは……毒?
鏢が飛んできた場所ををみると
そこには、小柄な男がいた
あいつか……
私は、短剣に手を伸ばしたが、緋村さんがそれを許さなかった
気づいたら緋村さんは小柄な男の頭上にいて、剣を振るっていた
が、地面に落ちたそれは丸太
視線の先には、変なお面をかぶった人がいた
もしここで闘いでもされたら困る
弥彦君を早く治療しないといけない
私は、緋村さんと男の間に立った
「真愛殿!?」
「何してんだ、お前は!!」
「危ないわよ!!」
三人の声を無視して、私はお面の人に頭を下げた
『お帰り下さい。これ以上、無駄な闘いは見たくありません』
「言われなくてもそうするつもりだ。この場で闘っても高荷恵奪回は無理と見た。自分としては、倒れている二人を回収して一刻も早く御頭報告したい」
その言葉に安堵したい
そしたら、肩に手が置かれた
その手の正体は緋村さんだった
彼は私の前に立つ
「そちらから攻めて来たんだ。引き止めはせんよ。だが、小さい奴は弥彦の解毒のためおいていってもらう」
「敵方にそうまでする義理はない」
「ならば、是が非でもおいてってもらう!」
緋村さんの剣は、男の手に甲で受け流され、そして右頬を殴られた
その間に男は仲間二人を抱え、消えてしまった