第7章 隠した本音
「なぁ、剣心はああ言ったけど俺も賛成だけど、お前は本当は協力したかったんじゃないのか?」
『え……?』
「だって真愛ってお人よしだから人のお願いを断れないんじゃないかって思って」
『心配してくれたの、弥彦君』
「そ、そんなんじゃねえよ!!ただ、真愛に怪我でもされちゃ目覚めが悪いと思って……」
『ありがとう。私も弥彦君に賛成、かな。足手まといにはなりたくないから』
「ふーん」
『薫さん、夕食一緒に作りましょう』
「うん!」
家の中に入り、三人でお茶を飲んだりそれぞれの時間を過ごした
私は洗濯物を洗いながら考え事をしていた
明治も平成も殺人鬼は居る
日本という国は、100年以上経っても何一つ変わらないんだな
確かに昔に比べ便利になった部分はたくさんある
でも、根本的なところはそのまま受け継がれている気がする
いい意味でも、悪い意味でも
その夜
薫さんと弥彦君が寝静まった後
私は縁側に座り空を眺めた
満月のせいか、あたりは少し明るい
今頃、緋村さんと相楽さんは黒笠と闘っているのかな
大丈夫だろうか
「真愛?」
『薫、さん?」
「もしかして真愛も眠れないの?」
私はうなづく
隣に座る薫さんを横目に私はまた空を眺めた
「ねぇ、剣心たちは大丈夫よね?」
心配そうに尋ねてくる薫さん
私は“大丈夫だよ”とだけ返した
「そう、そうよね!大丈夫よね!!」
少し安心したのだろうか
彼女は小さな欠伸をする
しばらくすれば隣から規則正しい寝息が聞こえてきた
きっと張りつめていた緊張がほどけたのだろう
私は、羽織っていた毛布を彼女にかぶせる
彼女の寝顔を見ているうちに
私も深い眠りへと誘い込まれていった