第14章 初めてのお仕事
時刻は午後18時5分前。
高杉さんに死刑宣告(任務指名)を受けてからあっという間に時間が過ぎた。
ぁあ、何時か何時かと思うと居てもたってもいられない。
気晴らしにいつもこの日この時間に見ているアニメでも見ようかと、テレビの電源をつける。
《見た目は子供!頭脳も子供!その名は!迷探偵コ◯ン》
そのまま数分、私は任務の事を完全に忘れてアニメに没頭していた。
主人公が犯人を見つけ、今から毛◯のオジサンに麻酔銃を撃ち込む!ってとこでいきなり自室の襖が開く。
「オイ、ガキ時間だ」
そうやってズカズカと入って来たのは高杉さん。
ん?高杉さん?
時間って何?
私が目線をテレビにキョトンと首を傾げていると、いきなり真っ黒な怒りのオーラを纏った高杉さんに襟首を掴まれる。
「オメー任務あるっつたよなァ」
…任務?
記憶巻き戻しモード。
………
…
『あー!そうだったそうだったーー!
でも待ってあと10分!いや、5分!!』
「待たねェよクソガキ」
そうして私の懇願も虚しく、甲板へと無惨に引きずられたのであった。
甲板に着き高杉さんに投げ込まれるとそこは大勢の人で溢れていた。
「チサー遅いっスー」
高杉さんに簡単な任務と言われた割には鬼兵隊の猛者達ばかりが集められている。
「さて、全員集まった事だし、今回の任務の作戦を話すでござるよ」
奥から万斉さんが出てきて皆の注目を集める。
「今から向かうのは拙者達が手を結んでいた過激派攘夷の武器アジトでござる。
少々厄介な情報を入手した故、鬼兵隊でも実力のある皆を集めさせてもらった」
万斉がつらつらと任務の大方な説明をしている中、
結局犯人は誰だったんだろう…
私はさっきまで見ていたアニメの結末を思い巡らせていた。
「…チサ!」
『へっ⁉︎また子ちゃん?何?」
完全に上の空な所にまた子ちゃんに声をかけられる。
「深刻そうな顔してどーしたっスか?怖いんスか?」
気付けば万斉さんも説明を終え、隊士達が士気を高めていた。
ヤベ…作戦なんも聞いてなかったー(^ω^;)
「やっぱチサに戦闘任務はまだ早『また子ちゃん…作戦もう一回説明して?』
「……はぁ?」
また子ちゃんの呆れ声が高杉さんにバレ、私はその後こっぴどく叱られました。