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隻眼男と白兎

第27章 猫耳は正義



『誘ってるのか?誘ってるんだなこのヤロー!いいよついて行くよ!むしろついて行かせて下さいお願いしますぅううう!!!』

先程の痛みは何処へやら。
私はガバッと勢い良く立ち上がって先に走り出す猫の後を追いかけた。


人気の無い路地を抜け、やっと体が入るぐらいの細い通路を横切り、他所様の庭を突っ切って、


そうして辿り着いた先は


『…お寺?』


私は何処か知らないお寺の前まで来ていた。


いつの間にか、私をずっと振り返って待っていてくれたあのかわい子ちゃんの姿も無い。


お寺の中まで入っちゃったのかな…


そう思って私がお寺の方へと近づくと、


「ニャー」


さっきと同じ鳴き声が自分のすぐ近くの茂みの中から聴こえた。

垣根を掻き分けて、声のした方をキョロキョロと探すと、
真っ平らな地面とは明らかに不自然に盛り上った塚のような場所にあの猫はいた。


『フッフッフー!もう逃がさないぞぉ〜』

ジリジリと猫との距離を詰めながら不敵に笑ってみる。


さぁ!いざゆかん猫の元へ!
レッツモフモフぅううううう!!


猫に向かって一直線にダイブして……



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