• テキストサイズ

隻眼男と白兎

第2章 日常へのサヨナラ、非日常コンニチワ


「やはりさっきのはお前の仲間か高杉ィ!」

高杉サマに切りかかってくる天人達。

「さァ、それはどーだろーなァ?」

そう不敵に笑ってバッサバッサ切り捨てる高杉サマ。


ぁあ、遠くで見ていても鼻血出そーだ!

まさか大好きだった、
ずっと会いたいと思ってた人が今目の前にいるなんて!

チサ感激ィィィ!!

今日の為に私はこれまで生きてきたのね!


私は感激して高杉サマを見つめているが、
やはり漫画でもそうだったが、強いこと強いこと。
敵はもう半数以上減っていた。


敵もそろそろマズイと思ったのか何人がかりでもお構いなしだ。

お前らそれでも武士か!お前らにプライドはないのか!



そう思いつつ辺りを見渡すと、私と反対側の岩陰に銃を構えている天人が見えた。

銃口はまっすぐに高杉サマを狙っている。


いくら最強な高杉サマでもあの距離じゃ気づかない!


そう思った私は素早く弓に弦を張り矢を構える。

深呼吸をして

矢先を銃を構える天人に狙いつける。


距離50メートル。


余裕。



相手が引き金を引くより先に私は矢を射った。


矢は真っ直ぐに敵に向かい、敵の服を貫き、敵ごと後ろにあった木に突き刺さった。


「⁉︎」

射られた敵はもちろん、その場にいた全員の目が私に向けられる。



あ、やべ



もう遅かった。



「あの女も敵だァ!殺せェェエ!!」


『ぅぎゃあぁぁぁぁぁ!!』


側にいた敵がこっちに向かってくる。


私は涙目になりながら、しかし狙いをしっかり定めて矢を射っていく。
死にはしないが確実に動けなくなる場所を狙って。


しかし敵が多い。
矢で一人倒しても後から後から敵が迫ってくる。

矢じゃ間に合わなくなる距離にまで迫られて私は弓を振り回した。

突いたり叩いたりで多少怯ませたが、やはり木製は鉛に勝てるわけなく、


折れた。


「ハッ!お前ももう終わりだな!」

敵が私に叫んで向かってくる。

しかし私はそれどころじゃなく。


『…れた』


「えっ?」


私のただならない雰囲気に気圧されたのか敵が狼狽える。



/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp