第2章 日常へのサヨナラ、非日常コンニチワ
私が満足気に腕を組んでいると
じゃりっ
足音。
まさか王子サマ⁉︎
私の王子サマが迎えに来てくれたのかしら⁉︎
期待して振り返るが
「オイ貴様!何者だ!」
顔は狼のくせにやけにガタイの良い人型の天人ってやつがいっぱい。
「お前、高杉の一味か!」
ちげーよ。
てか高杉サマならむしろ私が今すぐお会いしてぇわ。
「オイ!なんかしゃべれ!」
呆気と絶望に満ちている私にそれは今無理な話。
「違うのか?どーなのか?」
「コイツ違うんじゃね?」
「とりあえず顔は良いみたいだしお頭にお渡しするか?」
オイ、とりあえずってなんだ。
黙れ!私は美しいィイ!(ネタ)
私が睨みつけると、天人の一人が刀を振りかぶって私に迫ってきた。
「殺しはしないがちょっと大人しくしてもらうぜ!」
いや、それ大人しくなるどころか永遠に大人しくなっちゃうよ⁉︎死んじゃうよォ⁉︎
私は次の衝撃に備えギュッと目を瞑った。
しかしいくら待っても痛みはこない。
薄っすら目を開けると
「う…」
そう呻き倒れる天人。
私の目の前に立ちはだかる紫の着物を来た男の人。
まさか…
「おのれ高杉現れおったな!」
「うかうか散歩も出来ねェとは腐った時代だなァ」
この声⁉︎
高杉サマァァァア⁉︎
「オイ」
ぁあ!鼻血でそう!
「オイ女」
ぁあ!その素敵なお声で呼ばれたい!
「お前ェ、切られてェのか?」
ジャキっと刀を私に向ける高杉サマ
え?私ですか⁉︎
『ハイ!すいまっせん!!』
私が慌てて返すと高杉サマはその麗しいお顔を呆れ顔にし
「お前ェ、死にたくねェならさっさと逃げろ。
別に切っても良いがお前ェには貸しが出来たんでな」
とおっしゃって向かってくる天人達に向き直った。
とりあえず邪魔になっても悪いしどっか隠れよう
私は少し離れた手頃な大きな岩陰に隠れた。