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隻眼男と白兎

第12章 紅い桜の木の下で


月が綺麗に真上に登った頃。

高杉さんは甲板でお月見の最中だ。

私も屋根に登り配置につく。


そろそろだろうと辺りを見渡せば、予想通り、神楽ちゃんが丁度艦内へ入り込んで来た所だった。


「オイ。お前この船の船員アルか?ちょいと案内してもらおーか。頭ブチ抜かれたくなかったらな」

音も立てずに高杉さんの背後に立ち、傘を向ける神楽ちゃん。

「今日はまた随分とデケー月が出てるな。神楽姫でも降りてくるかと思ったが、とんだじゃじゃ馬姫が降りてきたもんだ」

突然の来訪者に動揺もせず相変わらず煙管をふかす高さんがニヤリと不敵に嗤う。


その時、

ドォン

「おおおおおお!!」

また子ちゃんがどこからか神楽ちゃん向かって銃を撃ち、飛び降りる。
神楽ちゃんを下にお互いが銃口を向けた。

「貴様ァア!!何者だァァア⁉︎晋助様を襲撃するとは絶対許さないっス!銃をおろせ!」

「また子、また見えてるヨ。シミツキパンツがまる見えネ」

相変わらずに銃口をまた子ちゃんから離さずに淡々と言う神楽ちゃん。

「甘いな。注意をそらすつもりか!そんなん絶対ないもん、毎日取り替えてるもん!!」

「いやいや付いてるよ。きったねーなまた子のまたはシミだらけ〜」

「貴様ァア!これ以上晋助様の前で侮辱することは許さないっス!
晋助様ァ!!違うんス!ホントッ毎日取り換えてますから!確認してくださいコレ…」

完全に動揺し高杉さんの方を向くまた子ちゃんにすかさず神楽ちゃんが足蹴を食らわせ、逃げる神楽ちゃん。

そんな神楽ちゃんに向かって突然サーチライトが当たる。

「みなさん、殺してはいけませんよ。女子供を殺めたとあっては侍の名が廃ります」

「先輩ィイ!」

ロリコン、改め武市先輩だ。隊士の皆をその背後に引き連れている。


一斉に飛びかかる隊士さん達を物ともせず次々と倒していく神楽ちゃん。

「ヅラァアア!どこアルかァア!!」

また子ちゃんの銃口が真っ直ぐに桂さんを探し叫ぶ神楽ちゃんを捉える。
神楽ちゃんはそれに気付いていない。


タイミングは今だ。


また子ちゃんが引き金を引く。


ドン

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