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隻眼男と白兎

第11章 ふとした瞬間、トキめく瞬間


「おい神楽。チサだって連れがいるんだ。勝手に連れ回したら迷惑だろ」

銀さんが大人な意見で神楽ちゃんを制止すると、神楽ちゃんがしゅんと落ち込む。


『いいよ!神楽ちゃん遊ぼ!』


あのバカは一人で楽しんでるだろうし、私だってちょっとぐらい遊んだっていいよね。


私がニッコリと笑うと、神楽ちゃんも嬉しそうに目を輝かせて私の手を引っ張り走り出した。


鬼兵隊にはまた子ちゃんぐらいしか女の子がいないから、こうやって女の子と遊べるのは私としても嬉しかったりする。


なんだか普通の女子高生に戻ったみたいだ。


そして私たちは神楽ちゃんに引っ張られるがままに色んな屋台を食べ歩き、どれぐらい時間が経ったか、気づけばすっかり日が暮れてしまっていた。


さすがにそろそろあのバカと合流しないとマズい気がする。


『神楽ちゃん、私そろそろ…』


たこ焼きに夢中になっている神楽ちゃんに言うと、神楽ちゃんは急いでたこ焼きを平らげて、

「じゃあ最後にアレをやるアル!」

神楽ちゃんが指差した先はヨーヨー掬い。

私たちはその店に向かって走り出した。


「お?お嬢ちゃん達やるのかい?君達可愛いから半額でおまけしてあげるよ」

店の前にくると、気前の良さそうなおじさんが半額と言って釣り糸を渡して来た。


「勝負ネ!」

ニッと笑って、瞬間カグラちゃんが物凄いスピードで辺りのヨーヨーを掬い上げていく。

私も一息遅れて負けじとヨーヨーを掬い上げる。



結局、勝敗は三個差で私は負けてしまった。

流石、神楽ちゃんには叶わない。


呆れ画をの銀さんと長谷川さんと、景品のヨーヨーがすっかりなくなり頭を抱える店のオジさんが哀れなので、掬ったヨーヨーのうちお互い二個ほど貰って店を後にした。



「また遊べるアルか?」

店から少し離れた場所で、上目遣いでもじもじと聞いてくる神楽ちゃん。

そんな神楽ちゃんに私は、

『もちろん!また遊ぼ!』

ぎゅーっと抱きしめた。


漫画で見るより断然可愛いんだよ〜!


「じゃあ約束アルよ!」


そして私は三人と別れて一人神居探しを始めた。


と言っても、大分人混みも減ったとはいえそんな簡単に見つけられるはずもないので、出口付近で大人しく待つことにした。


待つこと数十分。

やっと神威と合流する事が出来た。

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