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隻眼男と白兎

第11章 ふとした瞬間、トキめく瞬間


目覚ましで起きるでもなく、しぜんに目を覚ます。

大きく伸びをして起き上がり、辺りを見渡す。


『……ここどこ』


薄暗い、知らない部屋にいる。

とりあえず鬼兵隊の船内じゃなさそうだ。



て、



『エェエエエエエエエ⁉︎⁉︎』


どこだここ⁉︎どこだここ⁉︎

ここはどこ⁉︎私は誰⁉︎

『ヘルプ!ヘルペスミー⁉︎⁉︎』


押しても引いても横にスライドしても空かないドアを叩いていると、


「うるさいナー」


神威がやってきた。


ん?

神威?


さっきまで神威と鬼兵隊でお菓子食べて…

眠くなって……


『お前かァアアアアア!!』


「あら、バレちゃったか」

てへぺろ☆


てへぺろじゃねぇんだよォオオオオ!!

アレ、なんか盛っただろ⁉︎

なんか盛って、ここまで攫ってきたんだろ⁉︎

どぉしてくれるんだよォオオオオ!!!


『お家帰してぇえええ!!人攫いィイイイ!!』

「だから、うるさいってば。
殺しちゃうゾ」

目を見開き笑う神威。

てか、目が笑ってねーよ…。


これ以上騒ぐと、神威のことだから本当に殺されそうなので、私はお口をミッフィーちゃんにする。(´・×・)


「心配しなくても用が済んだらすぐ返してあげるよ」


『用事?』

キョトンと神威を見上げると、今度はニッコリと笑った。

「そう。花見しよ」


花見って…

前章でしたばっかりなんだけども…。


「もうすぐ着くから、もうちょっと待っててよ」


私の心の呟きも御構い無しにそう言ってスタスタと部屋を出て行ってしまう神威。


どうしようもないので、数十分そこで暇を持て余していると、再び部屋のドアが開いた。


「着いたよ」


神威の後にくっついて外に出ると、大勢の人。


江戸のようだ。



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