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隻眼男と白兎

第9章 笑顔に騙される事なかれ


私はいつにも増してぽけーっと料理の準備をしている。


最近あの夢の人が頻繁に出てくるようになった。


相変わらず誰か思い出せないし、

相変わらず何を問いても困った笑顔しか向けてくれないけど、


でもこれだけ私の夢に出てくるのだから、何か伝えたい事があるのだろう。



そんな事を考え大量のキャベツを千切りしてきると、

ぶしゅっ

『あ』

指を切った。


『痛ァアアアア!』


私が叫ぶと、心配して駆け付けてくれたその他料理係さん。

「大丈夫ですか!
痛かったらもう休んで良いですよ!」

『いや、大丈夫だよ!
今日ゎお客さん来るんでしょ?腕によりをかけなきゃだし!』


自分の切った指を舐め絆創膏を貼る。


そう、何やら今日はこの船にお客さんが来るらしい。

それも聞くところによると大食らいの。

これから協定を結ぶために結構重要な人らしく、機嫌を損ねないためにも、いつもより料理係の人員を増やし、大量のご飯を作っている最中だ。

だからこれぐらいで仕事を投げ出してはいられない。


私は心配してくれる料理係さんをなだめまたご飯作りを再開した。




時間が経ち、すっかりお日様が真上に登った頃、

例のお客さんはやってきた。

私はというと、ご飯を作り終え、今高杉さんの隣で若干ドキドキしながらお客サマを出迎えているところだ。


船を乗り付け、やってきたのは、
ガタイの良い男と、ピンクの三つ編みを携えた青年の二人組。


ん?何か見覚えあるよーな…


「ようこそおいで下さった。どうぞ、こちらへ。食事を用意しております」

いつものござる口調を捨て、丁寧に客室へ案内する万斉さん。


「やったネ阿伏兎!地球のご飯は美味しいから俺好きだよ」


ま、まさかこのニコニコ男はっ!!


一見優男な笑顔の裏には隠された獣の本性!
しかしそんな少しアブナイ魅力にシビれる憧れる!
登場回数の少なさに関わらず、銀魂ファンの間で不動の人気を誇っている!

その名は、戦闘狂 神威!さんではないですか⁉︎⁉︎


間近で見るとホント、ヨダレが出るほどイケメンやな!



「頼むから食ってばっかじゃなく、商談の方もちゃんとしてくれよ」


このガタイの良いお兄ちゃん気質な人はっ!!

…。

苦労人 阿伏兎☆さんか。


間近で見るとホント、苦労面してるな!

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