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隻眼男と白兎

第2章 日常へのサヨナラ、非日常コンニチワ


店内に入った私は希望と不安とで、祈るように目を瞑りながら手探りで漫画コーナーへ向かう。

店内は他にお客さんが見当たらないのでこんな不審者がいても誰にも気に留めないので大丈夫。


途中なんども本棚の角やらにぶつかりながらやっとこさ私は多分漫画コーナーであろう場所にたどり着いた。



ぁあ、神様仏様おじいちゃんおばあちゃんペットのお犬様!
どうか私にあの人を拝ませて下さいィイ!


恐る恐る目を開けると…


他の漫画が積み重なる中、一冊ポツンと銀魂は置いてあった。


『よ』

……おっと危ない。


ヨッシャァァァァァァァアアア!!!



思わず歓喜が口から出そうになるのを抑え心の中で雄叫びに似た歓声をあげる。



お目当てのものを胸に抱いてレジまでスキップしながら向かう私はさぞ気持ちわる……、可愛らしいだろう。←



『お願いしまっす♪』


ルンルン気分でレジに持って行く。
店員さんはお会計もずっと無言だったが、
最高にハイな気分な私はそれを意にも介さない。



やっと買えたぁ
長かったぁぁ



時間がかかった分、手に入れたものは大きい。




ウキウキルンルン高鳴る気持ちを抑えきれなかった私は
店を出てすぐ店員さんが丁寧に入れてくれた紙袋をビリビリと破き出す。


中から出てきた漫画に頬ずりして
表紙を拝み見る。






アレ?





そこである疑問。






今回の表紙ってこの人だっけ?





表紙には灰色の長い長髪の男の人。




この人………




次の瞬間目の前が急に眩しくなって

何も聞こえなくなった。






トラック?

え?私中身も読めないで死んじゃうの?






自分の身に危険が迫っているだろうというのにやけに冷静な私がもう一度手に持っていた漫画に目をやると




表紙の人がさっきと違う表情で笑っていたような気がした。






お願いしますね







そんな声が聴こえた気がした。





そして、


私は






真っ暗に包まれた。








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