• テキストサイズ

隻眼男と白兎

第8章 黒い塊でも愛があれば関係ないよね!


『また子ちゃぁああんん!!』

バンっとまた子ちゃんの部屋を開ければ、

『ギャアっ!白塗りおばけ!!』

「誰が白塗りお化けだバカ」

白塗りおばけもとい、美容パックをした呆れ顔のまた子ちゃん。


私はまた子ちゃんのタンスから素早く上着を見繕い、戸惑うまた子ちゃんを無視して部屋を出ようと引っ張る。

『早く!早く!』

「だから何スか!」

『早く!早く!』

「だから!ちょ!待てよ!だから

せめてパックは外させろっスーーーー!!!」

また子ちゃんの凄まじいグーぱんが飛んで来たのは言うまでもない。




ლ[◔౪◔]ლ(パック外し中だよ!ちょっと待ってね)


数分後。

私はパックを外し終えたまた子ちゃんを引っ張り甲板にいる。

しぶしぶついて来たまた子ちゃんだったが、外に出ると子供のように目を輝かせた。


「わぁ!雪っス!!」

そう!辺り一面の雪景色。

今現在鬼兵隊の船はどこかの山の上を飛んでるので見事な雪景色なのである。

私はこの景色を見せるためにまた子ちゃんをここまで引っ張って来た。


そして、

「キレイっスね!ぶぁっっっ!!」


顔面に丸めた雪玉を当てる。

『ふはははは!!この私に勝てるかな!!』

「…いい度胸ッス!」

雪合戦大会の開始である。




『いいか野郎共ー!!このチサ様がいる限り我々に負けはない!目指すわ大将!また子の首を取りに行くぞー!!』

オォオオー!!!


「いいかお前ら!!この赤い弾丸また子が先導する!敵は強敵だが必ず討ち取るぞー!!!」

オォオオー!!!


私達二人から始まった雪合戦大会は、今や20人ほどの鬼兵隊隊士を巻き込み、大規模なチーム戦となっていた。

結構な広さの甲板が人で溢れている。


『いくぞォオオオ!!』

「続けェエエエ!!」

私たちの合図と共に走りだし、投げ合いが始まる。

うぎゃっ!!

あべしっ!!

さすが大将また子ちゃん。
圧倒的コントロールで敵を倒して行く。


しかし私たちだって負けてない。

狙撃兵を筆頭に敵また子ちゃんチームの人員を削っていく。


お互いが目の前に迫り勝負に出る。

「チサ覚悟っス!!」

先に仕掛けて来たのはまた子ちゃん。

恐ろしい速さで雪玉をぶつけてけくる。



作戦通り!

私はニヤリと微笑む。
/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp