第7章 未成年の飲酒・喫煙は堅く禁じられております
私が涙目で訴えると、パッと手を離された。
そして目の前に真っ黒な細長い箱が突き出された。
「だからこれをやろうと思ってんのにお前ェ逃げやがって」
手渡された箱を受け取り蓋をあける。
『…………え?…コレ…』
収まっていたのは赤と金の煙管。羅宇の部分には真白い蝶が描かれている。
「俺等みたいな者は頻繁に買い物に行けるわけでもないからな。お前ェも愛煙者ならソレを使うようにしろ」
『コレ…私がもらっていいんですか…?』
「そのためにわざわざこの俺が買ったんだ。使わなかったらぶった切るからな」
高杉さんが不敵に笑う。
この前江戸で用があるって言って別れたのはこのせいかな…
なんて、自意識過剰かな?
でも嬉しい!!
『ありがとう!高杉さん!コレ大切にするっ!てか家宝にするね!!』
満面の笑みを送ると、高杉さんは大袈裟だと優しく笑ってくれた。
もう!大好きっ!高杉さん!!
私は息を吸い込み歌を歌う。
感謝の意をこめて、心をこめて歌う。
高杉さんは心地良さそうに聞いてくれた。