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隻眼男と白兎

第7章 未成年の飲酒・喫煙は堅く禁じられております


今日の私は猛烈に機嫌が悪い。


朝は恒例ラジオ体操を終わってから甲板を思いっきり殴った。

洗濯物はダンクシュートのごとく投げ入れた。

朝食を作れば皿を何個も割る始末。

そして今、訓練に付き合ってくれる隊士の人達を吹っ飛ばし、訓練場破壊活動をしている。

もちろんこれらの行動はわざとじゃない。

イラつくんだ。どうしようもなく。

手が震えるんだ。

末期症状なんだ。


タバコが。


きれたんだァアアアアア!!!!!



『オラァ!!たて!コノヤロー!!そんなんで鬼兵隊が務まると思ってんのか!!根性見せろやァア!!』


「完全に人格が違ぇよ…」

「いつもの優しいチサさん帰ってきてくれ…」

「もう…チサさんに敵うのは幹部の皆さんぐらいです…」

訓練場は死屍累々の山。


江戸から帰り、自分の体力のなさを実感した私は、力の使い方を覚えるために訓練を積み始めた。

いざという時に接近戦でも高杉さんを守れるように。

結果数日後には、並の隊士さんには負けなくなった。

訓練のおかげで体力も増え、体術も覚えた。
剣術の方は、私のどの流儀にも属さない我流の方(元の世界の無双ゲーの見様見真似だが)が敵を翻弄しやすいとの事で、最低限の刀の使い方だけ覚えた。

そして最強チサちゃんは今に至るのだ☆


『煙をよこせぇー。煙はどこだぁー』


煙を求め彷徨っていると、聞き慣れた私の大好きな笑い声。


「…クク。オイコラ、クソチビ。船の修理代、全額弁償するんだろうなァ」

サッと入り口の方に顔を向ければ、高杉さんとまた子ちゃん。

「わー!チサ!!アンタこんなに壊してー!!お菓子あげるから機嫌直すっスーー!」

ごめんよまた子ちゃん。
お菓子ゎ好きだが今欲しいのゎソレじゃないんだ。


そして今は……


『すいまっせーーーんんんん!!!』


みんなに会いたくないのォオオオ!!!



私は先程不可抗力で隣の部屋まで繋がった壁の穴に向かって一目散に逃げ出した。



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