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隻眼男と白兎

第7章 未成年の飲酒・喫煙は堅く禁じられております


アイツ、新 チサが鬼兵隊に来て早いもので一ヶ月。

チサもすっかりここでの生活に慣れたようで、今では立派に女中をこなしている。


俺は、常に共に行動する内にチサについてわかったコトがいくつかある。


一つに、どうしようもなく馬鹿なこと。

この世界にやって来たらしい当初から馬鹿だったが、時間が経ち、ここでの生活に慣れたコトで更に馬鹿に磨きがかかっている。
最近ではこの俺にまでタメ口をきいてきやがるときた。


二つに、やはりチサは強いこと。

先日江戸に出向いた時も何やら派手にやらかしたらしい。(当然キツい仕置はした)
最近では力のコントロールを覚えたいと言い出し訓練も積んでいるから、まだまだ強くなるだろう。


三つに、歌が上手いこと。

認めたくはないがアイツの声には癒される。
人前で歌うのは好まないようで滅多に歌ってはくれねェが。(まぁコッソリ聴いてるから良しとする)


そして四つに、



チサは相当な愛煙者というコトだ。




ドォォォォォオオン


何かが壊れる音が船中に響き渡る。


バタバタバタ


次に騒々しい足音が聞こえたかと思えば、自室の襖がバンっと開けられる。

「晋助様ァア!!チサは!チサは来てないスかァア⁉︎」

来島が騒々しい大声をあげる。

普段のコイツの態度を見るに、相当焦っているようだ。

「あのガキなら訓練場に行ったはずだが。何があった?」

来島が呼吸を整える。少しは落ち着いたようだ。

「いえ、何だか今日チサの機嫌が究極に悪いんス。部屋も散らかってるし、甲板もなんかボコられた後あるし、多分さっきの音も…チサだと思うっス」


ぁあ、アイツが機嫌悪いのは多分…



「オラ、行くぞ」

何をどうして良いのかわからないといった風な来島に声をかけ部屋を出る。

「え?晋助様?行くってどこにスか?」


「あの悪ガキの所にだ」

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