第6章 知らない人について行くのはロクなコトがない
「帰ったらみっちり教育しとくさ」
あぁ。
哀れなチサ。
きっと帰った時には恐ろしい調教が待っていることだろう。
しかし、
あの高杉がなぜこんなガキを?
「それよりお前とうとうロリコンに目覚めたのか」
「違ェよ。戯言も大概にしろや。
…アイツは見た目こそはガキだが、ああみえて俺らとそう変わらねェよ。20代だ」
「…え?20代?嘘だろ?どーみても中学生だろ」
嘘だろ?神楽や新八とそう変わらないと思っていた。
俺がまじまじと見つめると、チサは悪口を言われたことを察したのか、じろりと俺を睨んだ。
「オイ銀時。俺は疲れた。
そのチビガキに早く戻れと伝えておけ」
「あぁ。…高杉」
「なんだ」
「また話せるか?」
高杉はしばらくの無言の後、フンと鼻を鳴らして
「それはあのガキ次第だ」
そこで通話は終わった。
コイツ次第…ねぇ。
俺が横目でチサを見ると、当の本人は呑気に店の紙ナプキンで何やら折り鶴を折っていた。
俺はそんなチサに携帯を投げ返し、パフェの最後の一口をかき入れ席を立つ。
「オラ、お前ェんトコの大将がご立腹だぜ。送ってやるから行くぞ」