第6章 知らない人について行くのはロクなコトがない
そして俺達は今行きつけのファミレスに来ている。
なぜかって?
コイツにパフェと言う名の報酬を支払わせるためだ。
最近仕事が入らなかったからパフェなんて久しぶりだ。
『あのォ、パフェ奢ったし、もー帰っても良いですか?連れに殺されそーなんで早く戻りたいんですけど…』
連れっていうのは多分高杉のコトだろう。
俺は預かっていた携帯をポイと投げ渡す。
するとガキは血相を変えて携帯をカチカチとしたかと思えば次の瞬間には安心やら色々な笑みを浮かべて百面相していた。
「お前の連れって…高杉だろう?」
『な、ななななな⁉︎』
咄嗟のことにガキが狼狽えている。
「お前ェ、隠す気あんなら待ち受けなんかにするなや」
さっきとは打って代わって重い空気になり、ガキが青ざめる。冷や汗も滝のようにかいている。
コイツは本当に隠し事の類が苦手なようだ。
「アンタ、名前は?」
俺が今だガキを睨みつけ問うと、ガキは若干上目遣いで答えた。
『あ、新 チサです…』
こうして見るとそこらへんにいるただのガキにしか見えない。
しかし、先ほどの騒ぎを見る感じ、相当な力もある。
まぁでも、
コイツは悪いことを出来るようなヤツではないだろう。
俺はフッと笑った。
「言やァしねーよ。アンタ悪い事とか出来なさそーだし」
すると、満面の笑みで俺の手を握ってくるチサ。
良く見れば結構可愛いヤツだ。
そこで突如鳴り響く着信音。
F○のレベルアップ時の効果音という可愛げのない趣味はおいといて、その電話はどうやら高杉かららしい。
チサの黄色い声が聴こえる。
『ハイ!もしもし!』
しかしニ、三言話すと(^ω^;)な顔をして沈黙した。
俺はまだ通話中の携帯をひょいと取り上げる。
「やあ、高杉くん?オレオレ、銀時だけど〜」
「あァ?」
電話の向こうから不機嫌な高杉の声が聴こえる。
「全然連絡くれなくてなんなのォ〜私のコト忘れちゃったのかと思ったぁ〜」
「うるせェ切るぞ」
「そ、それは俺を切る方?電話を切る方?」
「お前ェだバカ」
(^ω^;)
さすが高杉。容赦ない。
「それよりお宅のお子さん躾がなってないですよぅ。知らない輩に喧嘩売るわ、人の原付強奪するわ」
チラっとチサをみると
すっげぇ怯えてるから待受の事は黙っておく。