第6章 知らない人について行くのはロクなコトがない
私の待ち受けは煙管をふかした高杉さん。
もちろん隠し撮りだ。
「お前、鬼兵隊か?」
銀サンの鋭い視線が飛んでくる。
普段死んだ魚みたいな目をしてるくせに、こーゆー時かっこい…ゲフンゲフン鋭い目をしている。
前にも言ったが私は隠し事が出来ない性格だ。
顔が強張り青ざめる。
ものすごい量の汗が流れる。
「アンタ名前は?」
『あ、新 チサです…』
しばらく鋭い目つきで私を見ていたが、
やがて優しそうにフっと笑って元の死んだ魚の目に戻った。
「言やァしねーよ。アンタ悪い事とか出来なさそーだし」
うわぁああああ!
銀サンあんたって人は!!!
『ありがとー!だいすきぃー!!』
今ものすごく銀サンに抱きつきたい気分だ。
でも銀サンとの間を隔てるテーブルが邪魔なので、とりあえず銀サンの手を取り満面の笑みを浮かべることに落ち着いた。
惚れてまうだろォがァアアア!!
いや、でも私は高杉さん一筋だからね!
浮気はしないよ!一途だよ!
コレはファンとしてのダイスキだからね!!
ちゃらららーらーらーちゃっららー♪
不意に機会音。
「何今の?」
『…レベルがあがった音』
…というかこのF○のレベル上がる時に鳴る音楽は私の着信音だ。
携帯に耳を近づける。
私の携帯から音出てる。
慌てて表示を見る。
“高杉さん♡”
高杉さん⁉︎
私の目がそれはもうキラッキラと輝く。
『ハイ!もしもし!!』
「遅い」
『へっ?』
「遅いっつてんだよ。お前ェ俺がどんだけ待ってやってると思ってんだ。切るぞ」
電話から聴こえる声は思った以上に不機嫌だった。
お決まりのセリフが聴こえる。
『そ、それは私を切る方ですか?電話を切る方ですか?』
「お前ェを切る方に決まってんだろォが。クソガキが」
『…(^ω^;)』
はぅん。
やっぱり怒ってらっしゃったー(^ω^;)
私のテンションは天国から地獄だ。
無言で携帯を持ち冷や汗をかいていると
「やぁ、高杉くん?オレオレ、銀時だけど〜」
不意に携帯が奪われる。
「全然連絡くれなくてなんなのォ〜私のコト忘れちゃったのかと思ったぁ〜」
彼女ォオオ⁉︎
でも、銀サンが(^ω^;)の表情になっている所を見ると、私と同じように一蹴されたんだろう。