第6章 知らない人について行くのはロクなコトがない
「お前、コレ」
「オーイ探したぞー」
土方さんが言い終わらないウチに後ろから気怠げな声が。
「アラ、ダンナじゃねェですかィ」
振り返ればコチラに向かってくる銀髪の男。
アレは……………
銀サンだァアアアアア!!!!
両手には大量の荷物。
あ、私の荷物だ。
「すいまっせんねー、コイツ田舎から来た俺の親戚でー」
銀サンがさりげなく私の肩に手をまわす。
待って、そんなことされたら鼻血出血多量で死んじゃう。
ただでさえマヨラー&ドSコンビを拝めて興奮最高潮なのに、銀サンに会えただけじゃなく、そんなお触りしてもらえたら、
興奮しすぎちゃうじゃないのォオオオ!!
「というワケで、このやんちゃ娘返してもらいますねー」
ぐいっと私を押す銀サン。
しかし警察さん達はただで行かせてはくれないようだった。
「オイ!待て!!」
土方さんが叫ぶ。
「コレ被れ!」
銀サンに渡されたのはヘルメット。
当の本人は原付にまたがりエンジンをかけていた。
「しっかり掴まってろよ!!」
ビュンと逃げるように原付が走り出す。
二人がものすごい形相で追いかけているが私はそんなコト知っちゃこったない。
銀サンと原付ランデブだーーーー!!!!!
ブワハハハハーーーー!!!
どれくらい時間が経っただろうか。
そろそろ戻らないと高杉さんに怒られる…気がする。
しかし私は今銀サンに連れられてとあるファミレスに来ていた。
目の前の銀サンといえば、パフェを頬張り満足そうな顔をしている。
くそォ、カワイイ顔しやがって!しかしそのパフェは私の金だ!!
『あのォ、パフェ奢ったし、もー帰っても良いですか?連れに殺されそーなんで早く戻りたいんですけど…』
「ん。コレお前のだろ」
パフェのコーンフレークの部分をもぐもぐと頬張りながら銀サンが投げて寄こしたのは私の携帯電話。
落としてたのか!
慌てて中身を確認する。
良かった、データは(高杉さんフォルダー)消えてない(^ω^)
携帯を前に百面相する私を銀サンは頬杖をついて眺めて、
「お前の連れって…
…高杉だろ」
な⁉︎
『な、ななななな』
「拾った時に見させてもらったぜ。てか隠す気あるなら待ち受けにするなや」