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隻眼男と白兎

第6章 知らない人について行くのはロクなコトがない


洋服も化粧品もお菓子も買い終え、次はどこへ行こうとぷらぷらと歩いていると、なにやらただならぬ人だかり。

大人数のチャラ男集団が女の人達を取り囲んでいる。

私は人だかりに紛れ込んだ。

「ちょっと遊びに行こうって言ってるだけじゃん」

「嫌です。そこをどいて下さい!」

典型的なナンパか。

チャラ男が先頭の茶髪ポニーテールのお姉さんの手を無理やり掴む。

「嫌だって言ってるでしょう!」

「そんなコト言わずに〜」

ちょ、オイオイ。
お姉さん達嫌がってるじゃん。

先頭のお姉さんは気丈にも抵抗しているようだが、他のお姉さん達は怯えきっていて、中には泣いている人もいる。


こんなに人集まってるのになんで誰も助けてあげないの?

「いいから俺たちと楽しいコトしようよ」

『やめなさいよ。お姉さん達嫌がってんじゃん」

気付いたら私はお姉さんを無理やり掴んでる奴の手を掴んでいた。

チキンだが女の子を困らす奴は大嫌いだ。


「ああん?」

チャラ男が私を睨みつける。

が、パッと掴んでるお姉さんの手を離すと、私にずいと近寄り舐め回すように眺めた。

「へぇ、結構可カワイイじゃん。何?お嬢ちゃんが俺たちと遊んでくれるの?」

今度は私の手を掴み、いやらしい笑みを浮かべるチャラ男。


私は元の世界で居酒屋でバイトしていた事もあるので、面倒くさいお客さんなんてしょっちゅうだったが、


『……………よ』

「え?」

『トイレの後に手を洗ったかどうかもわかんねェ汚ねェ手で触ってんじゃねェよ!くそヤロオが!!!」

私は掴んできた奴を投げ飛ばしていた。


またやっちまった\(^o^)/

こうやって何度バイトをクビになったことか。


「このクソアマがァア!!!」

逆上した男達が一斉に私に向かってくる。

女の子一人によってたかってなんて、

なんて無様なことか。

『お姉さん達はぱっぱと逃げちゃって下さい!』

向かってくる男どもを投げ飛ばしながら、先程助けたお姉さん達に大声で叫ぶ。

「でも!」

『ダイジョブです。コレでも私、ちょっとは強いみたいなんで』

ポニーテールのお姉さんに笑顔を向ける。


戦闘なんてこの世界に来た時ぶりだったから多少の不安はあったが、

それも心配ないみたい。

あの時のように驚くほど体は軽く、次々と男どもを再起不能にしていく。

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