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隻眼男と白兎

第5章 早起きは三文の徳


私は今高杉さんの部屋の前にいる。

元の世界から持っていた携帯をしっかりと握りしめて。


銀魂の世界にも機能的には違わない携帯があるようで、以前使っていたものをこの世界でも使うことができた。

ただ、この世界にきた時にデータは全て初期化されてしまったようで、アドレス帳はもちろん、貯めに貯めた銀魂の画像フォルダまでおじゃんになってしまった。


まぁ、銀魂画像フォルダ(高杉さんフォルダ)はこっちでまた1から作ればいいし。


私は一呼吸置いて軽くノックをする。

『高杉さーん?起きてますかー?』

返事はない。ただの屍のようだ。

『入りますよー』

携帯のカメラ機能をセットして、恐る恐る部屋へと入る。

高杉さんは部屋の少し離れたところに布団を頭からかぶって寝ていた。

高杉さんの綺麗な髪の毛がぴょんと布団から出ている。


私は今史上最高にニヤニヤしているに違いないだろう。

こんなオイシイ展開が待っていようなんて、

本当に神サマに感謝だ。


『高杉さん。起きる時間ですよー?
早く起きないとチサちゃんが襲っちゃいますよー?』

まぁ、実際そんな事しようものならいろんな意味で返り討ちにあいそうなので絶対しないが。


布団をチラッとめくる。

高杉さんがうぅと呻いてもぞもぞする。


か…

かわえぇ(*´∀`*)

こんなかわえぇ生き物がこの世にいるとは…


おっと写メ写メ。


パシャパシャっと角度を変え何度もシャッターをきる。

それでも起きない高杉さん。


『たっかすぎさーん♪
もーいい加減に起きて下さーい!
チサちゃんのモーニングコールですよ!こんなチャンスないですよ!!』

ぅう…。もぞもぞ。
高杉さんが呻く。


私は今最高に調子にのっている。

『もー!!
たっかすっぎさーん!!!』

バシバシバシ


…。


…ブチン。


ん?なんか今何か切れたような音がしたような?


高杉さんが無言でむくりと起き上がった。


「うるせェくそガキ。


…コロスぞ」


蛇に睨まれたように私の体は硬直した。


だってすげぇよアレ。

あの目だけで何人か人殺してきたんじゃなかろうかってほど殺意に満ちた目してるよ⁉︎

まるでメデューサだよ⁉︎

片目でこの威力ならきっと両目揃えば、えいりあんだって殺せること間違いなしだよ⁉︎
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