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隻眼男と白兎

第26章 敵の敵はやっぱり敵



『おやつゎ何百円までですかー?』

私は今、これから向かう遠足に向かうべくおやつを…

「おやつなんか買ってる場合か馬鹿ガキ」

ボカッ

『ぎゃふんっ!』

高杉さんからゲンコツを貰いました。


実はこれから向かうのは遠足なんてそんな楽しいところではありません。

任務なのです。

しかもどうやら鬼兵隊と協定を結ぶあらゆる攘夷組織との会議らしく…

つまりはゴッツい人とか、怖そーな輩とか、バケモンみたいな人が多くいる場所に私は鬼兵隊幹部の面々と放り込まれるわけです!

そんなの、こんなチキンな私にとったら…


緊張しちゃうじゃないのォオオ!!


というわけで、私は緊張をほぐすべくこうしておやつを…

「オラ、早く行くぞクソガキ」

買えませんでした!!


***


やって来たのは江戸の外れにあるこじんまりとした宿屋。

案内された部屋へと向かえば、そこにはすでにたくさんの強面な人達が既に集まっていた。

当然私は高杉さんの隣に隠れるようにして座っているわけで、

「何だこのガキ旨そうだな」

『ヒィッ!』

怯えていた。


「えー、では、皆様本日はお集まりいただき感謝する」

そんな挨拶の常套句で会議が始まった。

「失礼。
これで全員か?予定より少ない気がするでござるが」

始まって早々万斉さんが口を挟むが、そんな万斉さんの言葉に進行役の攘夷志士の人がうんとうなづき、

「はい。急な用事などが相次ぎ、本日の参加者はこれで全員だ」

そう言った。

一瞬その口元がニヤリと歪み、周りの視線にゾクリとしたが、

それもすぐに元の張り詰めた空気に戻ったからやっぱりただの気の所為だったのかもしれない。

それから、長ったらしい会議は順調に進んでいたが、私は一番近くにいる天人の舐めるような視線が気になって上の空で会議を聞いていた。

だって絶対あの天人私を食べ物のような目で見てるもん!

私脂肪ばっかでおいしくないからね⁉︎

程よく脂も乗って筋肉も良い感じに付いてる高杉さんの方が絶対美味しいと思うよ⁉︎

でも食べないでね⁉︎⁉︎


「えー、では本日の会議はこんなところでよろしいだろうか」

そんな言葉が耳に届き、やっと私も意識を会議に戻す。


全然聞いてなかったけどね!!


しかし、こんな平和に終わったりしない事は胸のどこかで察していた。

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