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隻眼男と白兎

第24章 計画はご利用的に!!



拙者が思わず感心していると、

『万斉さんは高杉さんに何かあげたりしないんですか?』

首を傾げてチサが問うた。

「拙者あまり人に贈り物を贈ったことや貰ったことがない故、何をあげていいのかわからないでござる」

自慢じゃないが拙者はあまり人付き合いというものをしてきた経験がない。

気付けば人斬りと恐れられ、拙者の周りに近寄る者はいなかった。

もちろんそんな拙者が誰かから贈り物を貰うわけも、誰かに贈り物を送るわけもないわけで。


『んー…そんな難しく考えなくていいんですよ?
その人が喜びそうなもの…
例えば、その人のよく使ってるものとか好きなもの、あと欲しそうにしている物とかをあげたらいいと思います!』

そう言ってニコリと微笑むチサ。


そう言われて拙者も改めて晋助への贈り物を考えてみる。


晋助の愛用品…

煙管、チサ。

晋助のお気に入り…

チサ…。

晋助の好きなモノ……

甘味、ヤクルト……チサ?

晋助が欲しいと思ってるモノ…

………チサでござろうか?


結論から言うと…

「つまりチサを贈れば晋助は喜ぶでござるな」

『は⁉︎なんで私⁉︎』

「晋助のお気に入りと言えばお主でござるよ?」

『お気に入りってゆーか、どーせただの遊び道具みたいにしか思われてないですよ…』

確かにチサからしてみればそのように感じるかもしれない。

だが拙者からしたら晋助はかなりチサに執着しているとしか見えない。

どんなに美しい遊女とも一夜限りの関係だった晋助が、こんなにも常に自分の側に置いた女子が未だかつてあっただろうか。


『いや、確かに初めはその“私をプレゼント♡作戦”で行くのも考えましたけども!』

…考えたんでござるか。

『ちょっと妄想してシミュレーションしちゃったりしちゃったけど!』

…シミュレーションまでしたでござるか。

『私を見た瞬間にドン引きして返品する高杉さんの姿しか浮かびませんでしたァアアアア!!』

…晋助は素直じゃないからな。

その光景がやすやすと浮かぶ。


『てなわけで!私も一緒に考えるんで万斉さんのプレゼント探ししますよ!』


それから小一時間、

チサに半ば無理矢理店内を連れ回されたのは言うまでもない。
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