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隻眼男と白兎

第24章 計画はご利用的に!!



『お前のかーちゃん何人だ〜♪』

前を歩くチサはご機嫌で鼻歌まじりにスキップをしている。

手には先ほどの戦利品である、苺4パックにその他もろもろの入ったスーパーの袋を携えて。


一方拙者はと言うと…

「…もう二度とチサとこのスーパーには行きたくないでござる」

げっそりとしてその後ろをついて行く。

もう身も心もボロボロでござる…。


『もー!万斉さんあれしきの事でギブですか?』

前を歩くチサが振り返って苦笑気味に笑う。

『高杉さんなんて私以上に激しい争奪戦を繰り広げてましたよ?』

「…は?晋助があんな場所に行ったでござるか⁉︎」

『その時はお菓子のタイムセールの時だったけど、
歴戦の勇者(オバちゃん)達から“隻眼の魔王”って通り名が付けられるほど凄かったんですよ〜』

どこか遠い目でそう語るチサ。


あの晋助が…?

いや、確かに晋助は最近甘味に目がないようだが…

それにしても銀魂作者から「ボケないので動かしづらい」とのクレームまできている晋助が、
先程のような凄まじい女子達の群れの中を颯爽と甘味を手にしていく姿を思い浮かべると…


すげェ笑え…じゃなくて流石…

……やっぱ笑えるwww


…おっと、あまりの事にアイデンティティーを忘れたでござる。


拙者が声を殺して笑っていると、そんな拙者を見て面白そうにチサが晋助の武勇伝を語り出す。

と、

『わっ!ごめんなさい!』

突然チサが前からやってきた男とぶつかった。

幸い軽くぶつかっただけのようで、両者ともに怪我はないようだ。

ぶつかった男はチサが慌てて詫びを入れると会釈だけして逃げるように早足でその場から離れていった。

「前を見て歩かないからでござるよ」

そんな男の挙動に拙者は少しばかり不審感を抱いたが、


それもすぐに忘れた。


『万斉さん!あそこ行きましょ!』

それから少しして、チサに引っ張られるように連れてこられた店、そこは様々な物で溢れた雑貨屋だった。

チサは既に目星を付けていたのか、煙管が並ぶコーナーへ一番に向かう。

そしてチサが手にしたのは、
真紅に金色の蝶の柄が散りばめられている趣味の良い煙管。

なるほどさすが晋助の趣味をよく理解している。

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