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隻眼男と白兎

第24章 計画はご利用的に!!



読者の皆様どうもこんにちはでござる。

拙者は河上万斉。
鬼兵隊では主に晋助のサポートをしており、これでも“人斬り万斉”の異名も持ち合わせているでござるよ。

しかし鬼兵隊での姿は裏の姿。
表の世界では、あの有名アイドルお通にも楽曲提供をしている音楽プロデューサーである“つんぽ”としても名を馳せている。

今回の話は僭越ながら拙者、河上万斉のとある一日をお話したいと思うでござる。


***

とある晴れた昼下がり、拙者が趣味である三味線を弾いていると、

バタバタバタ…

『万斉さん!!』

息を切らせて拙者の部屋へ入ってきたこの白髪の少女は、新チサ。

ある日突然晋助が拾って来て、そのまま居ついてしまったなんとも図太い女子だ。

この歳不相応の幼い容姿をした女子がやって来た頃、拙者はこの娘に不審な思いを抱いていた。
聞くところによると、どうやら此奴は異世界から来たらしい。
これが不審に思わずになんと言おうか。

そういう理由で、暇そうにしていた此奴に理由を付けて女中の仕事をさせた。

もちろん、監視のためだ。


だが、

拙者の中の不審感、これは同じ時を過ごすうちに少しずつ変わっていった。

女中の仕事を与えてからというもの、チサは毎日きちんと仕事をこなし、他の隊士を気遣い、晋助の面倒も見てくれる。

今ではすっかり晋助の“お気に入り”だ。

その上、チサの時々(と言うかいつも)見せる天然っぷり(と言うか馬鹿っぷり)、それを見ているとなんだか疑っているのも馬鹿らしくなってきたのでござるよ。


拙者は相変わらず三味線を弾きながら顔だけチサへと向ける。

「そんなに慌ててどうしたでござるか?」

まぁ、チサの事だ。
理由はきっと…

『明日!高杉さんの誕生日じゃないですかァアア!』

予想的中。
やはり晋助絡みの事であったか。

『サプライズパーティーしましょう!』

サプライズって…
そんなに大声で言っていてはバレてしまうのではないだろうか…

一生懸命なのは理解出来るがどこか抜けているチサに拙者は思わず苦笑を浮かべる。

「また子でも誘えば良いでござる」

『また子ちゃんは今任務中です』

そうだった。
その任務を与えたのは拙者だ。

『と、言うことで!レッツゴーです万斉さん!』
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